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第9回 環境とホールフード

【醸し人の覚え書】

今回はホールフードについて書いてみます。
ホールフードって何でしょう?最近、ベジブロスという言葉を聞いたことありませんか?ベジブロスというのは野菜からとった出汁のことです。最近テレビでも良く取り上げられますね。
ホールフードとは、もともと皮も根っこもまるごと食べる「全体食」から生まれた言葉で、提唱者はタカコ ナカムラさん。
食べ物を「まるごと」食べることだけではなく、「食」を通じてその周りの環境まで「まるごと」関わって行こう、という考え方です。

玄米の炊き方に始まり、出汁の取り方、50℃洗い、調理道具の選び方、食の陰陽の知識、添加物について、調味料について、経皮毒について、手当て法、菌ちゃん野菜、重曹とクエン酸の使い方など、通常の料理学校では学ばないような様々な事を学びます。
特に調理器具は第2の調味料というフレーズが大好きで、いいフライパンや鍋には憧れを感じます。
経皮毒の授業にも感じるところがあり、私自身実験中。合成界面活性剤を生活で使わないようにしています。石けんもシャンプーも使わず入浴してますが、やってみて特に困らないので不思議です。

その授業の中でもっとも大切だと感じた事は、環境の中の自分の立ち位置を考えるということでした。あれがダメこれがダメと否定するのではなく、今の環境で自分の出来る事を考えてみる。そして実践してみる。結果、体にも環境にも社会にも取り入られ、そして循環が始まる。

お酒を造っていると、醸すという言葉の主語が何なのかを常に考えます。私たち人間はお酒を醸せません。お酒を醸す事が出来るのは麹や酵母といった微生物です。私たちが造ってるのは微生物が醸す環境づくり。その環境にいかに関わるかを常に考えます。
環境作りはきっかけづくりの第一歩だなと感じます。


平成26年11月20日


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このブログは比翼鶴酒造株式会社 常務取締役 二ノ宮啓輔の個人の意見や考えを書いております。

at 2014/11/20 07:04:55