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第3回:酒蔵の一年

【醸し人の覚え書】

今回は酒蔵の一年を見てみたいと思います。酒造年度が始まり終わるまでの蔵の蔵の風景を見ていきます。


7月

酒造年度の始まりです。日本酒は7月1日に始まり翌6月30日までの期間を一年と考え、酒造年度(BY=Brewery Year)とよびます。今季製造したお酒は26BYと呼びます。蔵のタンクの中では前期(25BY)のお酒が静かに眠っています。

8月

田んぼでは稲が青々と茂っています。蔵では機械や容器のメンテナンスが行われ、夏期酒造講習会等の勉強会もこの時期に行われます。

9月

熟成した25BYのタンクの呑みを切って「ひやおろし」の出荷が始まります。
稲も出穂の時期を迎え、今季の製造へ向けて様々な神事が執り行なわれます。

10月

瓶詰め作業が本格化して年末へ向けて出荷の準備を整えます。秋洗いが始まり、道具を干したり蔵の掃除が始まります。末には酒米の稲の刈り取りが行われます。
(10月は干支で表せば酉の月、酉は酒に通じるので10月の1日は日本酒の日となっています。)

11月

収穫された酒米はカントリーで籾摺り乾燥を行い玄米になります。その後、玄米が蔵に入ってきて精米が始まります。瓶詰めを順次行い、蔵のタンクが空いていきます。翌期(27BY)の製造計画をたて原料米の予約をします。

12月

お酒の出荷が最盛期を迎えます。空いたタンクの点検や補修を行い年明けの仕込の準備を整えます。1月からの仕込に向けて12月中には精米作業をすべて終わらせます。

1月

正月が開けたらすぐに米洗いをし、日本酒の仕込が始まります。これから3月末までは休み無く蔵仕事が続きます。

2月

2月の初旬、仕込んだお酒がしぼれ始めます。26BYのお酒の誕生です。しぼりたてのお酒「今朝しぼり」の出荷が始まります。同時に新粕(板粕)も販売します。

3月

前半に仕込作業が終了(甑倒し)し、末にはすべてのお酒をしぼり終えます。この時期にしぼったお酒は一部「弥生しぼり」という名で新酒として出荷します。

4月

しぼったお酒の澱引きを行った後、火入れを行いタンクに貯蔵します。貯蔵したお酒は9月までじっくりと熟成させます。このお酒(26BY)が市場に出回るのは来季(平成27年9月以降)になります。

5月

ゴールデンウイーク前には使用した機械や道具の片付けを行います。田んぼでは代掻き、田植えの準備が始まります。

6月

27BYで使用する原料米の田植えが始められます。蔵では熟成した酒粕(漬込み粕)の出荷が始まります。6月末に酒造年度が終わります。


※蔵ではこの他に随時、焼酎を作ったり塩麹を作ったり奈良漬けを作ったりと色々してますが、今回は日本酒に焦点を当てて一年の流れを見てみました。


平成26年10月7日


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このブログは比翼鶴酒造株式会社 常務取締役 二ノ宮啓輔の個人の意見や考えを書いております。

at 2014/10/07 17:20:00